君は星
『…あ、更莉、ちゃん?』
"ちゃん"の前に一呼吸置かれたので、一瞬呼び捨てにされたのかと思って、ドキリとした。

「あ、は、はい!更莉です!」

電話越しなのに、ベッドの上で正座し、背筋を伸ばしてしまう。

ふふっ、と小さく笑い声が聞こえた。

『だから、敬語じゃなくていいって…』

そういえば、そうだった。

が、そんなことに気をつかっている余裕など、無い。

「…あ、う、うん…っ。」

ああ、向こうはきっと、こちらがガチガチに緊張していることを察しているに違いない。
恥ずかしい。

『ちゃんと連絡取れるかな、って一応電話してみた。ごめんね?時間取らせちゃって。』

「う、ううん!そんなこと…ッ!」





私はただ、電話越しに聞こえる声に、ドキドキしていた…。
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