LOVEファイト!
「どちら様、だってよ」

男達の間で、笑いが広まる。

「―月花さん? どうしました?」

答えるに答えられない…!

動けないでいるわたしに、先頭にいた男が近寄ってきて、わたしのケータイを奪った。

「翠麻か?」

「っ! 白雨(しろう)か!」

「ヤツに伝えとけ。大事な彼女は預かった。返して欲しけりゃ手下連れて、学校の倉庫に来いってな」

「待てっ! その人に何かしたら…!」

「しねーよ。けど早く来なきゃ、どーなるだろうな」

ピッ。

…電話は切られた。

近くで話をしていたから、内容は全て聞こえていた。
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