LOVEファイト!
「やめろっ! 白虎っ!」

「っ!」

…聞きたい声が、耳に飛び込んでいた。

倉庫内に手下を引き連れて、彼が…正義くんが来た。

「正義、くん…」

来てくれたことに、心の底から安堵した。

…本当は期待していた。

来てくれることに。

でも来てくれないことも、願った。

彼が傷付く姿は、絶対に見たくなかったから。

思わず体の力がゆるんで、泣きそうになる。

「おっと。フラつくほど、驚いたか?」

揺らいだ体を、白雨が後ろから抱き締めた。

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