そら顔
私は、無言で走った。先生の怒ってる声も私には聞こえない。
疲れてしゃがんでいてふと空を見上げようと顔をあげると、そこはすごい景色だった。この街に住んでもう3年たつけどこんな所来たことなかった。
その景色を見て私はなんだか無性にむなしくなった。
そしてまた涙が止まらなく流れてきた。
私がうつむいていると、
『おいっ』
なんだろと思って顔をあげると20歳ぐらいの男の人が立っていた。
『何で泣いているんだ』
「何だっていいじゃんあんたには関係ないでしょ」
思わず八つ当たりしてしまった…。
『関係ないかもしんねぇけど、女が泣いてたら気になるだろが』
私は不思議な気持ちになった。そしてこの初対面の男の人に全てを話した。
『そっか。でも、それは本人から聞いたんじゃねぇんだろだったら本人に聞いてみろよ。ちがうかもしんねぇからさ』
「だって親友が見たって言うんだよ」
『でも、本人に聞いたわけじゃねぇんだろだったらちゃんと聞かねぇと自然消滅になるぜ』
「自然消滅になったっていいもん苦しい思いなんかしたくない」
それってただの現実逃避。
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