scar of heart【BL】
「あー、あたし今日早く帰らなきゃ駄目なんだよね…そろそろ帰るね?」
皆で人生ゲームを終えた直後、城崎が最初に席を立った。
時計を見れば、午後6時を回ろうとしていた。
「私も帰ろうかな」
「じゃあ、俺も帰るわ」
城崎に続いて、柚里と市川も立ち上がった。
俺は床に座ったまま。
「皆、今日はありがとな。…流羽はまだ残るか?」
「俺はまだいる。なんか帰る気分じゃないんだよな」
本当は、柚里と市川が並んで歩くところを見たくないだけなのだけれど…
「わかった。じゃあ、下まで送るよ」
「じゃあね、幸村!」
「またな、城崎。飯美味かったよ!」
「流羽くんバイバイ」
「幸村、また学校で!」
俺に手を振り、リビングを出て行く3人。
そんな3人に、別れの言葉を添えて俺も手を振り返した。
「すぐ戻るから。流羽は留守番頼んだ」
「オッケー」
有貴もその後に続いて出て行った。