scar of heart【BL】
「いいな、苺。俺の苺、市川に取られちゃったからさぁ…」
ケーキの上にちょこんと飾られた赤い苺をじいっと見つめる。
「食う?」
そんな俺を見て、有貴がお皿を差し出してくれた。
さすが親友。
よくわかってるじゃないか!
「食っていいの!?じゃあ貰うわ!」
遠慮無く苺を貰い、口の中へ放り込む。
貴重な苺を、しっかりと味わった。
「あー、美味かった!」
「…どんな味だった?」
そう尋ねる有貴の目は、いつもと、どこか違うように感じた。
「どんな味って…普通に苺だっ………んっ…!?」
突然俺の唇が、有貴のそれで塞がってしまった。