*The Last Year*
「絶対絶対、同じ高校行くんだからね」
「わかってるって」
クリスマスも、
クリスマスイブも、
大晦日も、
正月も……。
冬休みのほとんどは本田と過ごした。
だるそうに机に突っ伏して眠ってしまった寝顔も。
先生に当てられて、私を見つめてきた瞳も。
真剣に問題を解いていた横顔も。
サンキュ、って言って、ニッと笑った笑顔も。
あの時だけは、私だけのものだった。
本田からもらったクリスマスプレゼントの飴だって。
ねぇ本田。
彼女がいるなら、他の女の子と親しくしちゃいけないんだよ。
わかってるけど、それでも期待しちゃうんだよ……。
「バレンタインどうしよっかな〜」
「それは、くれないと困るって」
「じゃあ作ってあげる」
本田と本田の彼女の楽しそうな会話。
本田って本当に、
罪な奴……。
end