冷たい風に打たれて


水樹はニコッとする

それにつられて風華も恥ずかしそうに笑う


水樹は風華に歩み寄ると優しく話した

「何かあったら、いつでも電話して。」


「…うん。」


私は水樹にこんなに優しくしてもらってるのに何も返せない


どうしたら、水樹に恩返しが出来るんだろう…


「風華?どうした?」


「あ、ううん。水樹も何かあったら私にいつでも連絡ちょうだいね。あ、出れなかったとしてもすぐにかけなおすから!」


水樹はまたニコッと笑う


それを見ていた風華の顔が少し曇る


「でも…水樹は何故私なんかと友達になろうと思ったの?」
聞こう聞こうと思ってて、水樹の優しさに甘え聞けなかった




いや、自分なんかに…本当は…


その時、水樹は風華の頬に両手で優しく触れた

風華の目の前の水樹の真剣な瞳が、まるで、風華を離さないようにするかという程強い眼差しで見つめる


「何故?なんて、友達になるのに理由なんている?僕が風華と友達…。」


水樹はふと首を振った

「いや、違うかな。もう…友達以上に思ってる。」


< 115 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop