冷たい風に打たれて

同世代



風華は上空の雲を身体の周りに纏い学校の屋上へと降り立った


トン


自分の体重が水に浮いている様な感覚から足を着いた瞬間に重力で自らの重さを感じる


「ありがとう。」


優しく微笑むと身体の周りにあった雲を天へと返す


風華は校内へとゆっくりと歩み向かった



ちょうど休み時間で学生の笑い声がそれぞれの教室からこだます


そして自分の教室の前に立った


入学して春からこの秋になるまでこの高校へと来たのは数十回程だった


丸一日いたのは数回だけだ

だから、勿論の事友達すらいないし、クラスメイトの顔も覚えてはいない

それが余計に学校から足を遠ざけていた

しかし、昨日の水樹がいると思うと学校も悪くはないと感じてきていた


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