冷たい風に打たれて


「噂は噂だよ!誰も本当の風華自身を知らないじゃんか!」

水樹が男子に言うと

「じゃあ、水樹はあいつの何を知ってるって?友達なんだろ?」


「学校なんで来ないんだ?」


「それ…は…。」


水樹は言葉に詰まった


「やっぱりな。水樹、何であいつなんかに構うんだ?」



水樹はうつむいた



だって…


あの時


風華が空を翔け、そこの自分の席に座るしなやかな姿に僕は目を奪われると同時に


風華のあの切ない表情に初めて、人を抱きしめたいという感情を抱いたんだ



何かに絶望したあの瞳に


僕までも苦しくなり…


そして


魅せられたんだ



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