冷たい風に打たれて
しばらくして目を凝らすと上空に黒い点が見えた
「あそこだ!あそこへ向かってくれ!」
神谷がその点を指差した
「はい!分かりました。」
近づくにつれその点は人に形作られた
「風華様ー!!」
神谷は扉を開け大声で叫んだ
風華は顔だけ動かしゆっくりと無表情で振り返る
その顔は蒼白だった
それもそのはず、食べる事も飲み物を飲む事も眠る事も何も出来なかったからだ
いくら風を操れると言っても普通の人間と変わらないのだから
それなのに周りの関わり合う人々は不死身の様に風華を扱う