冷たい風に打たれて



「あそこに要救助者がいます!」

パイロットが指差した風華の真下100メートル下の山の中腹で横になっていた中年の夫婦の姿が見えた


「救助隊を呼ぶより我々の方が早い!すぐに降下してくれ!」

「はい!」


雪面へ降り立った私とパイロットは二人の元へと駆け寄る


夫妻は目を瞑りビクともしなかった

慌てて耳を救助者の顔へとやる


弱くはあったが二人とも息があった


「生きてる!!」


二人で中年夫婦をヘリへと抱き抱えて乗せた


そしてそれを風華様に伝えようと頭上を見上げようとした


すると頬に冷たい物が当たった

「雨か?」


周囲一キロ先は晴れ渡って頭上では太陽が輝いているのにも関わらず私は雨が降っていると思った




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