冷たい風に打たれて
するとまた雨が一滴また一滴と頬に触れた
私は頭上を見上げる
すると天を仰ぎ一生懸命舞いながらも大粒の涙を流す風華の姿があった
その涙は雨粒の様に止めどなく降り続いた
「神谷さん!早く乗って下さい!」
「…あ、あぁ。」
…当たり前だった
自分の両親が亡くなり悲しくない訳がない
そしてもう遺体とも言えないモノで葬儀を執り行い
死に目にも会えない
亡くなった後ですら会えず、最後の別れすら言えなかったのだから
悲しくない訳がないのに…
私は大人のその他大勢と同じで風華様の事を人としての感情がないのだと
風を操れるただの道具だと思っていた