冷たい風に打たれて


神谷は慌てて風華に駆け寄り、顔を見つめ、手を握る

追うように二人も側に駆け寄った


水樹と同じくその握られた手は暖かかった



その手の温もりで風華の瞳からはまた涙が一粒零れる


「神谷…、それに二人にもこんな私の人生に付き合わせてしまって、振り回してしまって…本当にごめんなさいね…。」

今まで無表情か険しい表情しか見た事のなかった二人は驚いた

そして、自分達に謝る事など想像だにしなかった


更に涙を流す姿なんて想像出来なかった

しかし、今初めて、涙を流し許しを乞う風華にどうしたらいいのか解らなずオロオロしていた



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