冷たい風に打たれて
神谷は財布からブラックのクレジットカードを取り出す
「では、75万8900円でございます。」
それを聞いた風華は我に返った
「ちょ、ちょっと!神谷!いくらなんでもそんなにいらないし、高すぎるわよ!」
焦って神谷を止め様とした
「風華様は、コートなしでこの冬をお過ごしになられるのですか?風邪を引かれてはこちらも困ります。」
「コートなら家に帰ればあるから!」
「あのコートはもう貴方のサイズには合っていないでしょう。3年も前のですし、丈が少々短くなってしまいましたし。」
「でも!こんなに本当にいらないから!」
そう言うと10着はありそうなコートの中から一番シンプルで安そうなのを取り出す
「これだけで!いいから。ね。」
「せっかくなんですし、じゃあ、5着にしましょう。」
「だから…。」
風華は神谷と押し問答の末、風華の選んだコートを一着だけ購入した
神谷は納得がいかない様な素振りを見せるが風華は譲らなかった