冷たい風に打たれて


目を覚ますとこの倉庫部屋にあった、たった一つの窓からは紅の光が差込んでいた


上半身を起こそうとするとお腹に激痛が走った

「うっ…。」

両手でお腹を抑える

すると腕や太もものあちこちにも痛みがあるのに気づく

しかし、なんとか骨には異常はない様だった


風華は窓ガラス越しに天を仰いだ

雲が夕陽に照らされ朱色に染まっている


「…ふふっ。」

風華は何故か笑い出した

「ふふっ…ふふふっ。…。」

痛む身体を庇いながらゆっくりと立ち上がり足を軽く引きずりながら歩き出す


廊下の手すり寄りかかり窓に触れた

すると窓が開き風が廊下に吹き込む

11月というのに風は何故か暖かかった


その暖かい風が風華を抱き込むと風華の身体はゆっくりと廊下から浮き上がり風華を屋上へと運んでくれた



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