冷たい風に打たれて
風真が去った頭上を見上げながら風華は言った
「神谷。あれは誰。一体何者なの。」
「風華様。私にはお伝えできかねます。」
伝えられないということは、神谷にはそれを言う権限はないという事…か…
「ただし、貴方を全力で御守り致します。」
「ただ、あまり物騒な物は出さないで頂戴。」
神谷はスーツの裏の胸ポケットに入れていた手を出した
その手を出すのと同時にカチャリと金属音がする
胸ポケットにはいつも手入れがされ、いつでも発砲出来る様に拳銃が入っていた
風真と名乗った彼がそれ程の相手だという事ね…
彼は…
一体…何者なの…?