冷たい風に打たれて



その後、3日間学校へは行かなかった


北海道から始まり東北、甲信越地方の山が白く色付き始める


それに伴い登山客の遭難が相次いでいた


そして、風華は救出作業に追われた

それは深夜にも及ぶ


バリバリとヘリの音と強い風の音だけが響く

「風華様。位置は確認出来ましたので、後は山岳救助隊に任せましょう。」

「そうね。テントも持ってるし、食料もまだまだあるみたい。登山経験者がいたからよかったわ。」

「では、ヘリに乗り込んで下さい。」

「えぇ。山の天候は変わりやすいから、明日救助隊が着いて無事に救出されるまで、天候を崩さない様にしておく。」

そう神谷に伝えると風華は眼下にあるテントの真上で風を操る


サァァァ
雲が流れテントから30キロ程円形に雲が晴れ渡った

その山だけが晴れ渡る

風は穏やかになり、優しい風が頬を撫でる



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