冷たい風に打たれて
「昼間捜索したこの地点より、はるか上のこの峰の100メートル北側のこの地点です。」
風華が地図を指差す
「では、夜明けと共に向かいましょう。隊長!」
「あぁ、夜明けに出発だ。それまでは皆しばし休んでくれ。」
「「はい!!」」
隊員達は横になれる隣の部屋へと移って行った
「風華様。風華様も少しお休みになられては…。」
「神谷。私はいい。」
「さようですか。横になられたい時に声を掛けて下さい。」
「えぇ、分かった。」
そう告げ、風華は簡易の椅子に腰掛けると長テーブルに両肘をつけて手を組みそれで額をその手に乗せる
そして継続的に精神を研ぎ澄ませる
風華は山の天候を遠隔で操っていた
眠ってしまうとその力が無意識に緩んでしまうからだ