冷たい風に打たれて



「…さま。風華様。」

ハッと目を開く
意識が現場からここへと戻る

「もうじき夜明けです。」

「では、あとは無事に救出されるまでね。」

神谷に目線をずらす

神谷は深夜から体制が全く変わっておらず、背筋を伸ばし、こちらを見つめていた


「神谷、貴方はちゃんと休んだの?!」

「私は、風華様…」

「私が眠ってないのに自分だけが眠るなんて?!」


風華は溜め息をつく

「そうゆうのやめてちょうだい。」

「しかし…」


「私に反抗する気?貴方を私付きから外すのは簡単なのよ!!」

その怒鳴り声を聞き救助隊員が部屋へ入ってきた

「何事ですか?!」

「いえ、なんでもありません。お気遣いなく。」

風華は冷たく隊員に言った

隊員が部屋へ戻るとこそこそと話し声が聞こえる


< 89 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop