冷たい風に打たれて
バタンとドアを開けたそこは屋上だった
4日前から何度も風華を探しに屋上へと来ていた
そしてがらんとした屋上を見ては肩を落としてまた校舎へ戻っていた
水樹はそのまま静かに歩くとゆっくり腰を下ろした
「お疲れ様。風華。」
腰を下ろした横にはフェンスに寄りかかって眠る風華がいた
もうじき雪が降る季節なのだが、何故か風の心地よさに水樹も目を閉じる
しばらくこうしていると水樹は眠ってしまった
それから2時間後、風華はゆっくりと目を開いた
腕時計を見ると夜の8時になっていた
辺りは暗く校舎の周りのビルの光が夜を照らす
3時間程度しか眠りについていないのにも関わらず、何十時間も熟睡した感じと暖かい温もりを感じがする
それは自分に掛けられた制服のジャケットと手の温もりからだった
水樹がしっかりと風華の右手を握りしめていた