Salvation 〜救い〜
「何階に行くんですか?」



「37階だ。部屋番号は3017。」

横井の言葉にはムダがない。



エレベーターは1階で止まったままだった。



そのまま無言で部屋の前まで歩いていく三人。



3017と書かれた部屋の表札に

名前は入っていない。



横井がトシキと青野にまた目くばせをする。



ピンポーン



部屋の中から

チャイムの音が聞こえる。



ゴクリ



思わずつばを飲み込むトシキ。



息を押し殺して返答を待つ。



永遠のように

長い時間が経ったような気がした。



ガチャ



ギィー



鉄製の扉が

ほんの少しだけ開いた。



一瞬の間に

鎖がかかっていないのを

三人同時に確認した。
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