Salvation 〜救い〜
動物っていうか

ケモノっていうか

とにかく

人間の意志

みたいなもんが

まったくねえ

真っ暗な眼をしてた



俺はお前を後ろから

はがい締めにして

正気を取りもどさせようとしたけど



近づいてきた俺を

見上げたお前のその眼を見たとき

心が凍りつくようだったぜ



結局お前がもどってくるまで

数分かかったけど

お前の体温を感じながら

俺ぁ思ったんだよ



こいつはすげぇってな

俺の持っていない

いや おそらく

他の誰も持ってない

なにかを持ってるんだって



そして

俺はお前の力があれば

いろんなことができるって

そう確信したんだ



だから

俺ぁ 待ったんだよ

お前がせめて

義務教育終えるまで

中学終わるまでは

巻きこまねぇでおこうって
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