Salvation 〜救い〜
年末の街では

誰もが

あわただしく

歩みを進めている



そんな中で

少し距離をおいて歩く

ヨウコとトシキは

周囲から

浮き立っているようだった



『ここでいい?』



5分ほど歩いたあと

ファミレスの前で

振り返ったヨウコが

トシキにたずねた



あぁ べつに どこでも・・・



「いらっしゃいませ」

二人は店員に案内されて

四人がけの

ソファ席に

向かい合わせで

座った



「ご注文はお決まりですか?」



俺 コーヒーください



わたしはレモンティーで



オーダーを終えた

二人は

しばらく

どちらも

口を

開かなかった
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