Salvation 〜救い〜
必死になって

逃れようとするけど

その邪悪な

なにかは

わたしの

皮膚に

浸食をはじめる



少しずつ

わたしの肌が

闇に

溶かされ始める



わたしの意識は

愛情や

温かなものよりも

憎悪や

悲しみのような

冷たいもので

おおわれていく



わたしは

早く

わたしの

すべてを

飲み込んで

もらいたいと

願いはじめる



千晶も

お父さん

お母さんも

トシキ君も

愛情の対象の

すべてを

わすれさせ

冷たい世界に

取り込んで

欲しいと

祈りに似たような

気持ちに

なっていく

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