明日という光へ
教室に入るや否やクラス中は騒いでいた。
話の話題はもちろん転校生の事だった。
担任の元木 英二(もとき えいじ)が入って来た。
25歳で独身。
「みんな。おはよう。今日はみんなに前から言ってたように転校生が来ている。入って。」
教室の前のドアから人影が。
ガラガラ。
…。 …。 …。
「キャー!」
クラス中の女子が騒ぎだす。
「じゃあ自己紹介してくれるかな?」
担任が言う。
「みんな。俺の名前は中原 翔一(なかはら しょういち)。このクラスの女子は元気が良いなぁ。誰かカワイイ子いねぇかな?まぁとりあえずよろしく!」
…。…。
みんな開いた口が塞がらない。なんて緊張感のないヤツなんだ。
身なりといったら髪の毛はワックスでガチガチ。それに眉毛も細すぎ。
香水も部屋中に匂ってきている。確かにさっき女子が騒いだように男から見てもカッコイイけど、僕は苦手なタイプかも…。
さすがの担任もビックリしている。
「…。じ、じゃあ中原君には…。渡良瀬の隣空いてるから席はそこで。」
「渡良瀬?どいつだ?…。お前か。よろしく!」
「うん。よ、よろしく。」
なんでよりによって僕の隣なんだよ(泣)
「朝のホームルーム終わり。起立!礼!」
担任が出ていく。