明日という光へ
クラス中の女子は振り返るとみんな笑顔で翔一を連れてカラオケに直行して行く。
僕と憲二も仕方なく着いていく。
「さぁ。みんなどんどん歌歌おうぜ!ほら。聡も入れろよ!」
女子達はどんどん曲を入れ、EXILEやGLAY、L'Arc~en~Cielなど次々と翔一に歌わせ、翔一の歌を聴いて涙してる人もいた。
確かに翔一は歌が上手い。自分で言うだけの事はある。
結局僕と憲二や他の男子は一人一曲ぐらいしか歌う事が出来なかった。
翔一と女子達はそのまま二次会みたいな気分でボーリングに行ってしまった。
男子達も帰ってしまった。
…。 …。
「なぁ。聡。アイツどう思う?」
「アイツって…。翔一?」
「あぁ。」
「なんかすごい今までにいないような人だよね(笑)」
ホントに空気が読めるのか読めないか分からない謎だらけな人だ。
「俺、アイツ嫌い。」
憲二はそういい残し、帰って行った。
ハァー。なんか今日は疲れた。
家に帰ると両親はまだ帰ってなく、姉の 礼子と姉の彼氏 松井 蓮(まつい れん)がいた。
「おかえり!」
姉が僕の顔を見て言う。
「なんかあった?」
「いや。何も無い。」
僕は姉の彼氏を蓮兄と呼んでいる。
蓮兄と姉がこのまま結婚してくれる事を望んでいる。ちなみに蓮兄は姉の2つ歳上。
「ねぇ。蓮兄はどうして姉ちゃんと付き合おうと思ったの?」
「えっ?そりゃあ他の人には無い魅力があって惹かれたからかな♪」
「ふぅん。姉ちゃんの何処が良いの?(笑)」
「コラッ!失礼ねぇ。」
姉が怒る。
「まぁ、礼子の気取らないありのままの表裏の無い性格に惹かれたのかな。」
蓮兄は恥ずかしそうにそう言った。