甘めな年上彼氏
その声に反応して
向井さんは
唇を離してくれた。
何もなかったかように
あたしに微笑む。
「ちょっと待ってて。」
「…は、はい。」
なんであんな普通なの??
あたしまだ
呼吸みだれてるよ!?
ガチャー
「向井さん!!
やっぱ居るじゃないですか??」
玄関の話し声が
こっちまで筒抜けだった。
「んー…いたよ。
今、彼女がいるの。」
「もしかして
お楽しみ中でしたか??」
「お楽しみ中でした。」
いや違うでしょ!!?
違くない??
まぁいいや。
ってか………誰??
「すみませんっ!!」
あれっ??
この声………
あたしには
聞き覚えがあった。