甘めな年上彼氏
そのバイクの音に
あたしと島崎だけが
静かになった。
「2人共どうした!?」
雅也だけが
あまり分かってない。
あのバイクの音…
……たぶん向井さん。
「帰ってきたな。」
と島崎は立ち上がって
窓の外を見た。
雅也も続く。
「やっぱり一緒だ。」
「うわっ…あの人美人!!」
雅也…そういうの
すっごくいらない。
やだ……
見たくない…
「行くか。」
「何か言ってやんねーと。」
2人はそう言って
玄関へ向かっていく。
「えっ…ちょっ!!
待ってよ!!」
「なに??」
「行かないの??」
2人の目は冷たかった。
たとえその矛先が
あたしに向けられた
ものじゃなくても
少し動揺した。