甘めな年上彼氏
向井さん家には
行けないなって思った。
海凪さんも
待っててくれてるけど…
島崎の家から出て…
向井さん家の前を
ゆっくり通りすぎた。
何故か緊張でいっぱいで…
ホッと出来たのは
マンションを
出てからのこと。
帰ろ………
一瞬だけ振り向いて
マンションを見てから
あたしは
トボトボと歩きだした。
何で今日バイト
入ってなかったんだろ…
でもきっと
どっちにしても
あたしは傷ついてた。
「はぁ…」
そんなとき――――
「怜奈!!」
足音と共に
あたしを呼ぶ声が
聞こえてきた。