甘めな年上彼氏
それがたとえ
間違ってるとしてもね…
「お待たせしました。」
駆け足で近づいていくと
向井さんは
ヘルメットを
あたしに渡しながら
「学校お疲れさま。」
って微笑んだ。
あーあー
ダメだなぁ…あたし。
向井さんの笑顔見ると
全てがどうでも良くなる。
校長の話が
長かったことも…
成績が悪かったことも…
雅也に冷たくされたことも…
本当に全部
忘れられる気がした。
いつからか
あたしの生活に
“向井さん”は
欠かせないものとなっていた。