甘めな年上彼氏
「俺…3月の始めに
引っ越すことにした。」
引っ越す…??
ただ単純な一言を
理解するのに
時間がかかった。
「ど、うして…ですか??」
「就職出来た会社が
隣の県にあるんだ。」
あれ??
あたしこんなに
バカだったっけ??
頭が言葉を理解しない。
「通勤するのに
時間がかかるんだ。
引っ越すことは
怜奈と付き合う前から
決めてたから。」
「…なんで
別れなきゃいけないの??」
すると向井さんは
涙で濡れたあたしの頬を
指で拭いた。
「そんな顔しないで…
俺も別れたくない。」