甘めな年上彼氏



「俺…3月の始めに
引っ越すことにした。」


引っ越す…??

ただ単純な一言を
理解するのに
時間がかかった。


「ど、うして…ですか??」


「就職出来た会社が
隣の県にあるんだ。」


あれ??

あたしこんなに
バカだったっけ??

頭が言葉を理解しない。


「通勤するのに
時間がかかるんだ。
引っ越すことは
怜奈と付き合う前から
決めてたから。」


「…なんで
別れなきゃいけないの??」


すると向井さんは
涙で濡れたあたしの頬を
指で拭いた。


「そんな顔しないで…

俺も別れたくない。」








< 264 / 318 >

この作品をシェア

pagetop