甘めな年上彼氏
【*拓海Side*】
怜奈が泣いて
家を飛び出していった。
俺はただただ
怜奈が消えた玄関のほうを
ボーッと見ていた。
追い掛けたい衝動を
グッと堪える。
追い掛ける資格なんて
ないくせに…
「怜奈……」
正直…あそこまで
泣いてくれるとは
思わなかった。
俺……最悪だな。
怜奈が好きで好きで
たまらない。
なのに…離れる。
すごい矛盾だな…
「逃げ………か。」
確かに逃げてる。
ただ怜奈に
嫌われるのが嫌だ。
このままだと
高望みしそうで
自分が怖い。
幸せすぎて
恐かったんだ。