倉庫の王様
その日は先生の授業もなく、ヒカリの話しをズット聞いてた。



「誤解かもしれないよ!?」

「お願い…。一緒に来て?」



恋愛経験の薄いあたしを!?



そんなあたしを修羅場に連れて行くの!?



でもただ着いててあげるだけなら…。



よし、ヒカリのためっ!!



「じゃあまた明日な~」



先生のその声と一緒に教室を出た。



バイバイすら言えてないけど今はヒカリ優先。



なのに…。



「そんなに急いで合コンでも行くのか?」

「先生っ!!合コンなんて行かないよ!!」

「学生なんだから遊べよもったいねぇ」

「先生が遊びすぎなんじゃん…」

「そうか?じゃ、気をつけて帰れよ~」



そうやってまた線を引くんだ…。



『彼氏作れ』とか『合コン行け』とか。



生徒にそう言って自分はお前達に興味ないって意志表示してる。



早く卒業してしまいたくなる瞬間…。



「宮さんって絶対女いないよね」

「へっ!?」

「彼女いるように見えなくない?」



確かにそうなんだけど…。



< 10 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop