倉庫の王様
素早く中に入れたサチを抱きしめた。



動揺してる…。



「ど、どうかした?」

「別に?ただちょっと休息…。昨日からトーヤが居候し始めたから余計会えなくなりそう」

「そう…なんだ…」



明日も学校休みで会えねぇし…。



どうにかして密会場所でも…。



「泊まり行けんなら遠くに連れ出すんだけどな」

「父に聞いてみないと…」

「適当に聞いといて。俺は手ぇ出す気はねぇし」

「えっ!?」

「一緒にいたいだけ。でも毛玉がいるからムリくせぇな…」



初めてこんな気持ちになって、真面目に恋愛したいとか思ってんのに…。



バレるのが怖くてデートすらできねぇ…。



「先生…?」

「ぁん?」

「キス…したい…」

「おっ!?サチから言うなんて珍しい!!」



会えなくても離れない気持ちが欲しい。



苦しくても負けない強さも。



ちゃんとリードしてやんなきゃサチはなにもできなそうだし。



俺、とことんお前に惚れてるっぽい…。



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