倉庫の王様
そして迎えた土曜日。



学校でサラッと雑用を終わらせてからサチを迎えに行った。



「先生っ!!会いたかったぁっ~…なんて…あはは…」

「ぷっ!!なに照れてんだよ。早く乗れ」

「お、お邪魔します…」



今日は少し離れた祖父ちゃんの別荘を借りた。



あそこなら人に会わないと思うし。



「父が許してくれるとは思わなかったね」

「そうだな。彼女とかいんなら会いに行ったりっ…って…わりぃ…」

「ううん!!あたしは別にいいの!!父が幸せになってくれるのがいちばんいいから!!」



あんなにカッコよくて金もあって若いなんてほっとくヤツの気が知れねぇもんな。



彼女の3人や4人いそうなもんだけど…。



「家に誰も連れて来たことないの。あたしは気にしないんだけどさ」

「そういう話ししたことねぇの?」

「父が怒るの。『お母さんがほしいならお前のために結婚してやるから』とか言って…」



これは何かありますな…。



父には謎が多い…。



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