倉庫の王様
受話器から漏れる声は父とは違う若い男の声。



「ちょ、ちょっと待ってね!?」



サチの友達?



男の?



「先生、少し待っててくれる?」

「あぁいいけど…」



車から出てったんだけど…。



誰?



ってか聞かれたらマズイ話し?



少しイライラしてタバコに火を着けた。



コンビニの前にいるサチをジッと見つめる俺とあたふたしてるサチ…。



ん~、なんかあったな。



しばらくして戻ってきた。



なんか聞いた方がいい?



「せ、先生はっ!!あたしと付き合ってから誰かに告られた?」

「まぁ数人の生徒に…」

「それってあたし知らないよ!?」

「言ってねぇからな」

「そう…だね…うん、なんでもない!!」



誰かに告られたんだな…。



単純すぎてわかりやすい…。



「誰から電話だったんだ?」

「友達…」

「そ」



これは完璧なヤキモチ。



暗くなりたくないくせに思い切りキスした。



「誰でもいいけどお前はやんね」

「は、はい…」



くくっ…顔真っ赤…。



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