倉庫の王様
ソファーに座り、ふたりで話してたみたい…。



コーヒーカップが並んでる…。



「父ちゃんあんなこと言うつもりじゃ…」

「あたしが悪かったから…。ごめんなさい…」



泣きそうな顔をした父がさっき叩いた頬を撫でた。



そのままギュッと抱きしめられて…。



「サチは兄貴の忘れ形見なんだ!!だけど今は父ちゃんの娘だから!!」

「うんっ…」

「お前のことは世界でいちばん愛してる…。娘として…」

「あたしもっ…父が大好きっ…」



なにがあっても変わらない父…。



悩みとか相談とか…父がいなきゃ生きてこれなかったこととか…。



感謝してもし足りない…。



「遠慮とかしたら追い出すからな!!」

「追い出されたらうちに来いな?」

「先生は黙ってろ!!」

「はいはい、で、サチと話させてもらいますよ~」



父と引き離されてあたしの部屋に強制収容…。



あたし…先生に電話したのか…。



だから来てくれたんだよね?



ありがとう…。



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