倉庫の王様
大事にされてるんだろうけど…。



いつかそうなったりするんだよね?



それは先生の我慢が限界に達した時?



あたしからOKサインを出すのは恥ずかしくてムリなんだよ?



「先生?」

「ん?」

「キッチン高くて洗い物しづらい…」

「そう…みたいだな」



そんなことが言いたかったわけじゃないんです…。



あたしは先生にならなにされたって幸せだと思うって伝えたかった…。



けど言えない!!



恥ずかしさが優先する…。



そして終わってしまった洗い物…。



先にロフトに上がった先生があたしを手招きしてる…。



ここから先は初めて見るスペース…。



ゆっくりハシゴを上ると先生が引き上げるようにあたしの体を引き寄せた。



「ようこそ、俺のテリトリーへ」



少しだけ奥にある敷かれた布団。



枕元の灰皿。



小型テレビと小さなスタンドと読み掛けの文庫本…。



ここが先生の寝てる場所…。



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