倉庫の王様
動かないんだけど…?



「アレ…うちの生徒の気がすんのは俺だけか?」

「えっ!?あっ!!3年の…」

「ヤバイよな…。俺だってバレたら…」

「ど、どうしよう…」



薄暗いから気づかれないかもしれない。



だけどもしバレたら…。



「か、帰ろう先生…」

「でもお前楽しみにしてたし…」

「いい!!帰るっ!!」



クルッと向きを変えたら腕を掴まれた。



ヤバイ、夢みたいだったのに急に現実に直面したせいか泣きそう…。



「帰んねぇ」

「だってバレたらっ…」

「今日、俺ゆうチャンだし。先生じゃねぇよ?」



気を使ってくれてる感じが伝わる…。



先生の優しさがさらに泣きそうになるよ…。



「今日はもういい…。そのかわり先生んち連れてって!?」

「は!?俺んち!?」

「いいでしょ!?毛玉にも会いたい!!」



先生は苦笑いしたけどあたしの気持ちを察してくれたのか、キツく手を握って来た道を引き返してくれた。



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