倉庫の王様
バレるくらいなら外で会わない方がいい。



先生と会えなくなるくらいならデートなんかしなくていい…。



「悪かったな…」



車に戻った先生にそう言われた。



言葉を発したら涙が出そうで返事の代わりにただ首を振ることしかできなくて…。



暗い雰囲気の中、車は先生のガレージに向かった。



「寄り道して帰る?」

「どこに?」

「俺の実家」

「実家って…ダメじゃん!!あたし先生の生徒だよ!?」

「まぁまぁ、気にすんな」



急に実家って言われても!!



さっきまで泣きそうだったのに、今はただ緊張してるだけ。



お父さんとかお母さんとかがいたらどうすればいいの!?



反対されるに決まってるのに!!



「ここ、実家」



あっと言う間に着いた先生の実家は和風な造り。



門があって池がある庭。



季節の花があったり…。



「日本庭園だ…」

「親父の職業上こんな感じ」

「お父さんってなにしてる人?」

「日本舞踊」



に、日本…ダンスっ!!



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