倉庫の王様
すっげぇ若い親父だってのは知ってる。



会ったことはないけど。



「社長だっけ?」

「うん、自分で作った会社みたいだよ」

「頭いいんだな~」

「わかんない。ただパソコンオタクだっただけだよ」



ネット関係の仕事をしてるらしく、かなり儲かってると思うんだけど…。



本人は興味なさ気。



「お母さんが生きてるのか死んでるのかすら教えてくれないんだよ。酷くない?」

「知りてぇの?」

「知りたいけど父が悲しむからいいの」

「偉いな、お前。父ちゃん思い」

「いい子なんです」



いい子なんですけど~…。



なんて言うか…。



邪魔?



「俺先行くぞ」

「行ってらっしゃい」

「遅れたらここの掃除やらす」

「遅れないっ!!」



カワイイ生徒止まり…。



申し訳ないけど俺は応えてやれないからな。



だからさっさと彼氏でも作って他に行ってくれ!!



「宮先生、ちょっと」

「なんスか?」



また呼び出しだよ…。



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