倉庫の王様
サチの指に引っ掛かってる長い黒髪…。



「あぁ、それ妹の」

「…………」

「えっ、疑われてる?」

「なにも知らないもん…」

「家出してきてさっきまでいたの。マジ、本当に本当に本当…」

「チュー…しない…」



えぇぇぇ…。



本気で信じてねぇ~…。



まぁ信用を損なうようなことはしたけどさ…。



「あっ!!スミレのポーチ!!よし、これで信じるよな!?」

「…………」



もう呼ぼう…。



電話して忘れ物を取りに来いと言ったらなぜかキレてた。



しばらくしてからやって来た妹に絶句するサチ…。



「びびびび…美人すぎるっ…」

「アンタが遊和兄の彼女?なんか想像と違~う。先輩に見えない」

「ご、ごめっ…」

「チビ」



ポーチでひっぱたいた。



このクソガキ。



早く帰れボケ。



「帰って稽古受けろ悪ガキ!!」

「遊和兄に言われたくないバーカ!!じゃあね!!」


俺にそっくりだアイツ…。


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