倉庫の王様
夏休み前、嵐の予感。



天気は最悪で、雨に打たれながら１件１件家を回る。



徐々に狂う時間…。



生徒の親達の話しが長くて…。



それに加えて強風と大雨…。



今日中に行けなくなりそうだ…。



それでもなんとか時間をずらして…。



「あら先生!!ずぶ濡れじゃないですか!!」

「お気になさらずに。こんなになっちゃったんで玄関先で失礼しますね」

「上がっていただいて構わないのに!!」



いいわけあるか。



ずぶ濡れでパンツまでヤバイっつーのに。



なんとか死守したかばんの中から書類を取り出し適当に家庭訪問終了…。



じゃなくて最後の家に行かなければ…。



「はいもしもし、龍ヶ崎です」

「あっ、私娘さんの担任をしている宮と申します。お時間少し遅れてしまいまして…。今からお伺いしてもよろしいでしょうか…」

「構いませんよ。待ってますのでお気をつけていらしてくださいね」



今から今日最後の家に行きます、龍ヶ崎家に。



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