倉庫の王様
でもいいの、父が楽しそうだから。



今までアユミさんもたくさん我慢してくれてたんだろうし。



ふたりの思い出も作ってもらいたい。



特番を見ながらコンビニのパスタとケーキで雰囲気だけ味わった。



お風呂にも入って寝る準備は万端なのに…。



「電話くらいちょうだいよ…」



今まで父とふたりで祝ってたクリスマス…。



あたしも父離れしよう…。



部屋に入ってさっきのかんざしを見つめた時だった。



待ちに待った先生からの着信。



「はいっ!!」

「テンション高いな。開けて」

「なにを?」

「エントランス」



ウソっ!?



先生が来たの!?



ちょ、ちょっと待って!?



スッピンだしパジャマ!!



「寒いから早く」

「は、はいっ!!」



慌てて開けたマンションの玄関。



化粧するヒマはまずない。



着替えは!?



モタモタしてたら部屋の中に鳴り響いたインターホン…。



来ちゃった…。



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