倉庫の王様
ひとりにしないで…。



怖い…怖いっ!!



「イヤァァァァ!!」

「なにっ!?なんかあったか!?」

「父どこっ!?父は!?」

「落ち着け!!親父さんは出張だろ!!」

「父ぃ~…」

「あぁ~もう…。一緒に来い」



ギュッと握られた手。



震えてた手が力強く握られてる…。



先生の冷たい手に…。



「こっちか?」

「な、なにが?」

「キッチンだろ!!」

「あっ、あっち…」

「ったく…。世話のやける生徒だなお前は」



怒られてるのかな…。



この力強さは…。



「おっ、発見!!ほら、明るいぞ」

「うん…」

「他にロウソクとかある?」

「アロマキャンドルなら貰ったヤツがここにたくさん…」

「座ってろ、つけてやるから」



ヤダ…。



なんかドキドキしてきちゃった…。



今になって気付いたよ、先生がいる重大さに。



「超ムード全開じゃね!?」

「明るくなった…」

「もう泣くなよ?」

「うん…。先生着替えた方が…」

「あぁ、気にすんな」



そう言って上だけ脱ぎだした。



< 29 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop