倉庫の王様
その日は気が気じゃなかった。



帰ったのが遅くてサチとまともに話せなかったし…。



明日は1日実力テストだから会わない予定で…。


早く土曜日になれよ…。



そう願って次の日。



また朝から教室に行ったけど微妙に活気がない。



テストだからだな…。



実力なんか一発本番実力でやれよ。



サチも勉強してんなバカ…。



放課後に少しでも会いたくてメールを入れた。



『ごめん、ヒカリと約束しちゃった…』



あっそ。



俺をそんなに妬かせてぇかよ。



もう知らねぇからな。



俺が好きなのは毛玉だけだ。



サチなんか好きじゃねぇよ~。



「トーヤ、タバコ行くぞ」

「う~ん、イライラしてる遊和とは行かな~い」



チッ…。



グレっかんな。



「宮先生、ご飯行きません?」

「行きます行きます。イタリアン行きましょうよ」

「知ってる店予約しますね~!!」

「ついでに洋子先生と羽賀も一緒ね?」

「ふたりじゃないのか…。残念」



俺グレますから。



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