倉庫の王様
シャツだけど…。



濡れてるし…。



ローソクの明かりが先生に似合ってカッコよさ5割り増しだし…。



「まだ怖い?」

「…………怖い。先生、怖い」

「どうすりゃいい?」

「抱きしめて…?」

「アホか」

「マジで」

「…………」



手の震えが止まらないのは確か。



でもこれだけ明るかったらもう怖くない。



先生を帰したくない…から…ごめんなさい…。



「この際だからハッキリすっか。お前俺が好きだろ」

「うん。超好き」

「残念だけどお前は生徒だから。女じゃねぇ」

「わかってるよ。だけど好きだもん。先生しかいらないくらい好き」

「ウザい、そういうの」

「彼女がいるのも知ってるし、相手にされないのもわかってるもん」



なんだか胸がスッキリして行く気がする…。



今まで言いたかったこと全部言える…。



「でも好きなんだよ、先生が」

「気持ちだけもらっとくわ」

「あたしももらってよ」

「立場をわきまえろ」



わきまえられるわけないじゃん。



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