倉庫の王様
サチはそんなこと思ってないんだろうけど…。



俺的にはめちゃくちゃ振り回されてる感覚。



だってさ、昔の自分を忘れそうなんだもん…。



俺ってもっとツンツンしてた気がする…。



恋って恐ろしい…。



「逃げんな毛玉。乾かねぇままで布団の上あがんなよ!?」



必死にソファーの上のブランケットに座って体を舐めてる毛玉に温風攻撃。



真央となにが違うんだよバカヤロー…。



養子に出すぞマジで。



ドライヤーを毛玉に向けてる時に初めて気づいた。



「お前…メスだったのか…。今まで気にもしなかった…」



だから真央にベッタリ!?



ぷっ…。



彼女いねぇのに猫には好かれんだな。



やっと乾いたと思った時に聞こえたドアの開く音。



「先生、あたしも乾かして?」

「俺はトリマーじゃないんですけど~」

「あたし人間だもん!!」



プクッとすんなよカワイイから~…。



できることならこのままサチ飼いたい…。



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