倉庫の王様
『お前ってクールだな』なんて褒め言葉とも言えないようなことを…。



俺のバカ…。



「クール…」

「笑ったりすんの?」

「まぁそれなりに…」

「好きな女にだけ見せる笑顔とか?」

「なんスかそれ。好きな女なんかいないし」



気付いてないらしい…。



河原なんか赤ちゃんに感じる…。



コイツは絶対厄介。



こっちから転校して、中、高が男子校だったらしいし…。



初恋もまだだったりして…。



「龍ヶ崎とは仲良かったのか?」

「別に仲良くなかったですよ。だけどムカつくんですよね、トロくて」



そこまでおっとりしてねぇと思うけど…。



気づかせた方がいいんだろうか…。



だけどもし告ったりしてもあのサチがキッパリ振るとは考えにくい…。



やっぱり言わないでおこう。



「せっかく共学来たんだから彼女作れば?」

「宮先生みたいにカッコよければすぐにできそうですけど俺モテませんし」



いやいや、かなりイケメンだから。



彫り深くてハーフみたい…。



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